太陽熱土壌消毒法は太陽熱と発酵熱による高温と土壌の還元化によって酸欠等で土壌中の菌を死滅させる消毒法です。
還元型太陽熱土壌消毒法とは? |
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太陽熱土壌消毒法は太陽熱と発酵熱による高温と土壌の還元化によって酸欠等で土壌中の菌を死滅させる消毒法です。 奈良県で萎黄病対策で開発されたのがはじまりと言われていて、経費が殆どかからずカビや細菌に効果が期待出来るお得な消毒方法です。 還元化の際に、有機酸の生成や微生物同士の競合がおこり、病害虫の生存に影響を与えることが知られています。 施設野菜栽培において同一作物を長期間連作すると土壌中の病原菌や植物寄生性センチュウ等の密度が増加し、生育不良や萎れ・枯死を引き起こすことがあります。 土壌病害虫の防除法として、太陽熱を利用する方法でも「還元型太陽熱土壌消毒」は多くの土壌病害虫に高い効果が認められる有効な消毒法です。 |
還元型太陽熱土壌消毒法のメリットとデメリット |
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プランター菜園での太陽熱土壌消毒のやり方 |
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用意するものは新聞紙(1日分)・大型の透明のビニル袋2枚・防水テープ(50㎜幅)・バケツ・水。 まず新聞紙を広げた状態にして地面に敷きましょう。 次にビニール袋を2重に重ねて使用済みの用土をプランターから取り出して内側のビニール袋に入れます。用土を入れたら新聞紙の上に移動させましょう(水を入れてからだと重くて袋の移動が困難になります。新聞紙を敷くのは移動する時にビニール袋が破れないようにするためです。新聞紙より大きい固めの厚紙がある時はそちらを利用すれば更に安心です。) 次に水を用土の表面が光る程度(ペースト状態になる)までたっぷりと注ぎます。 水を入れたら袋を新聞紙に寝かせて空気を極力少なくして内側の袋の口を防水テープで外から水が入らないようにきっちりと閉じましょう。 内側を閉じたら次に外側のビニール袋の口を閉じます。ちなに袋を2重にするのは、万が一、袋が破れても水がこぼれないようにするためです。 この状態で約2~3週間ほど太陽光に当てます。気温が高い時は2週間ほどで気温が低い時は3週間ほど。 2~3週間経ったら中の袋を取り出し、外側の袋を新聞紙の上に敷いてその上に用土を薄く広げて更に1~2日太陽光に当てて用土を少し乾燥させましょう。時折用土をひっくり返して万遍なく太陽光に当てるようにします。 これで太陽熱消毒は完了です。 袋から取り出した後は乾燥させすぎると有益な微生物が死んでしまうので乾燥させすぎないように注意しましょう。 |
露地栽培の還元型太陽熱土壌消毒法のやり方 |
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梅雨明け後の夏季に、家畜飼料に用いられるフスマ(または米ぬか)を10アールあたり1トン準備し、圃場へ均一に施用してよく混和します。 その後、土壌表面が光る程度まで十分量灌水し、透明の古ビニル等で被覆します。灌水量が不足すると効果が劣るため、足を踏み入れるとズブズブと沈んでしまう程度まで十分な灌水を行います。 ハウスを完全に密閉して、約1ヶ月間密閉状態に保ちます。消毒終了後はハウスを開放し、ロータリーで十分耕耘し、土壌診断を行ってから施肥をします。 |